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2025.01.31

⑤三つ編み

子どもたちの遊び相手をするのは、私たちにとって癒しの時間でした。高校生にまとわりついて離れず、あやとりやお手玉、折り紙で楽しく遊びました。片や大人の私にはちょっと違った接し方で、あぐらの中に入ってきました。私は思いつきで「三つ編みしていい?」と聞くと満面の笑みで「うん!」と返してくれました。子どもの髪は細くて柔らかくてアレンジしやすいはずなのに、髪は絡まっていて、梳かしほぐすのに時間がかかりました。震災後、お風呂は数日間に一度、銭湯に行くとのこと。きれいに梳かして三つ編みをしていると、子どもの頭特有の汗と脂の匂いがしました。それが何だか心地よくて愛おしくて。「できあがり!」とふたつのおさげを見せると、「うち、お母さん死んじゃってん。髪をくくったの久しぶり!明日もしてな!」と言うのです。そんなことで喜んでくれるなら、毎日何回でもかわいく三つ編みしてあげると、心の中で叫びました。

お陰様で三つ編み希望の列ができました笑。三つ編みしながら小さな背中を見ていると、ぎゅっと抱きしめたくなりました。実際に私に抱きついてくる子もたくさんいました。各家庭の被災状況にとても触れられませんでしたが、先生方の話を聞く限り、須磨区板宿町は、かなりの家屋被害、それによる負傷者が出た地域でした。確かに・・・児童館は鉄筋コンクリートなので無事でしたが、周辺はがれきが散らばっている状況でした。あと、屋根を覆うたくさんの青いビニールシート。2月末、まだまだそんな光景でした。

 

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