Blog 校長ブログ

2025.01.31
⑥粉ミルク
こんなこともありました。③でお伝えしましたが、生活用品の配給が私たちの支援活動でしたが、一日に2回、9時と13時に地域の方々に配給するのですが、物によってはあっという間になくなります。学校帰りの女子高校生が制服姿で15時頃に来るのですが、小さな声で「粉ミルクありますか?」と、うちの生徒に聞いてきました。「ごめんなさい!もう今日の分は無くなっちゃって。また明日には入ります。」と伝えると「分かりました。」と笑顔で帰っていきました。きっと、小さい兄弟がいるのでしょう。お母さんに頼まれたのだと思います。粉ミルクとおむつは毎日一番に無くなります。明日は手に渡るといいなと思いながらその日を終えました。
次の日、また同じ時間に女子高校生が来ました。私たちは心の中で「あっ!」と思い、同時に顔を見合わせました。「粉ミルク、今日も無くなっちゃって。ごめんなさい!」と生徒が言うと「大丈夫です。」と言って去っていきます。私たちはいたたまれない気持ちになりました。そうか!学校帰りだからどうしてもこの時間になってしまうんだと学習しました。でも、私たちは支援活動に来ているので、被災した方々に平等に配給しないといけません。寒い中毎日並んで配給を受ける方々に平等に手渡します。それが私たちの仕事です・・・。その後、粉ミルクについて触れず、児童館にやって来る子供たちの相手をし始めました。
そして次の日、また女子高校生が来ました。3人の生徒たちは顔を見合わせ、そっと棚の下から粉ミルクを取り出したのです。ひとつだけですが、取っておいたのです。そのことがいいか、悪いか、いずれであってもその瞬間、私が全責任を負う覚悟を決めました。女子高校生は心底嬉しそうに「ありがとうございます!」と言って粉ミルクを大事に抱え帰っていきました。3人の生徒たちがこっそり相談しての行動でした。私は今でもその行動を誇りに思っています。