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2022.09.07

校長メッセージ

その子は・・・もはや私の孫ですね!

教師生活の中で、卒業生の結婚報告や出産報告は我が事のように嬉しいものです。つい先日も「無事産まれました!女の子です。ヤバい!可愛過ぎます!奥さんに感謝です!」と卒業生男子からラインが届きました。ベタベタに写真も添付されているのですが、可愛いより先に「よくこんなにたくさん撮ったわね!」と、つい笑ってしまいました。私にとって卒業生は、我が子のような存在です。なので、その産まれたての新生児は・・・もはや私の孫ですね!本当にそんな気持ちになります。心から健やかに育ってほしいなと思います。
父となったその卒業生男子、彼が高校3年生の時の忘れられない光景があります。4人兄弟の長男、下の子たちの父親代わりとしてお母さんを支え、家事など自分ができることは、何でもやってきました。お母さんはとても明るく働き者で、お忙しい中、クラスの役員さんも受けてくださいました。お母さんにとって自慢の長男だったと思います。高3の4月、新学期が始まってすぐの一週間、桜丘では授業後一斉に個人面談を実施します。彼の番が来て教室に入ってきました。1・2年次も私が担任をしていたので、進路希望はある程度把握していました。
「大学、行きたいよね?勉強したいって言ってたよね?部活も続けたいって。私からもお母さんに話すから、大学、行きなさい。」と促すと、突然声をあげて泣き出しました。高校3年生の男子が机に突っ伏してわんわん泣くのです。じっと見守るしかできなかった私。30分くらい過ぎてようやく話ができる状態になりました。それでもしゃくりあげながら、「大学は諦めます。公務員試験を受けて警察官になります。弟たち(双子)も桜丘に入ってほしいから、自分が働いて母さんを助けます。今日のことは母さんには言わないでください。」と言って、すっきりした顔をして部活に向かいました。なりふり構わず泣いて、泣いて・・・自分の中で折り合いをつけたのだと思います。
お母さんは「自分の行きたい道に進んでほしい。お金はなんとかする。私、仕事だって増やせるし!」という方でした。親は子を想い、子は親を想う。そんな親子関係を築いたお母さんは素晴らしいなと思いました。
彼は無事愛知県警に採用され、今は機動隊で頑張っています。さらに、弟たちも桜丘を無事卒業していきました。
そんな彼がお父さんになった。感慨深いものがあります。新しい命の誕生、その幸せをかみしめてほしいです。
以上、ノンフィクションでお伝えしました。お付き合いいただき、ありがとうございました。
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