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2023.02.08

校長メッセージ

中山きくさん ありがとう

どうしても触れたいと思い、記事にします。平和学習に本気で取り組んでいる桜丘。本当は私よりその中心を担ってくれている教員が伝えるべきですが、成り代わって私から発信します。桜丘の修学旅行先は沖縄。もう20年以上になります。目的の中の大きな柱は、やはり平和学習。平和への願いを込めて、「唯一の地上戦が行われた場所」を、生徒たちのその目でしっかり見てもらい、なぜ「平和が大切なのか」を考え、向き合ってもらいます。現地での平和学習プログラムのひとつとして、沖縄戦体験者の語り部さんを宿泊先のホテルにお招きし、生徒たちに戦争体験を語ってもらいます。その語り部さんの中心的存在であった、中山きくさん(94歳)が先月亡くなられました。白梅学徒隊として、16歳で負傷兵の看護をはじめ、過酷で悲惨な体験をされたきくさん。戦後、小学校の教員として長年教鞭をとられましたが、戦死した学友を思い、しばらくは戦争に対して口を閉ざしてきました。ですが、その後広島や長崎の被爆者と関りを持ち、「広島、長崎の被爆、沖縄の地上戦は後世に語り継がなければならない」と意を決し、戦後50年頃から語り部として活動を始めたのです。(この頃すでにきくさんは60歳後半)
桜丘の修学旅行で幾度となく平和講演をお願いし、本当にお世話になってきました。2019年の修学旅行が最後の平和講演となってしまいました。きくさんの講演を聴いた生徒たちは、時を経て大人になり、きくさんが訴え続けてきた「平和への意志」を次の世代へと語り継いでくれると信じています。きくさん、本当にありがとうございました。どうぞ安らかに。大切な学友の方々との時間を楽しんでください。
平和委員会の顧問が発行している通信です。この中にも書かれていますが、きくさんは依頼を受けた講演が終わる度、白梅の塔を訪ねたそうです。学友の方々に講演の様子を報告していたのでしょうか。真意はきくさん本人にしかわからないことなので想像でしかないですが、想像なのに鼻の奥がつんとします・・・。
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