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2023.05.26

校長メッセージ

一緒に暮らすということ

週末です。この土日はお天気に恵まれるそうですが、今年は梅雨入りが早いそう。30日(火)には日本列島の概ねが梅雨入りするそうです。ジメジメの季節に突入ですね。
今日はこの後、夜まで出張です。ひとつお伝えしてから出かけますね。
昨日、30歳になる卒業生が顔を見せに来校してくれました。高校3年間、私が担任だった男子です。すっかり立派になって見違えるほど。高校時代は典型的なムードメーカー、いかにして先生の授業を脱線させるかを常に狙っていました笑。お調子者でふざけ過ぎて私を怒らせることもしばしば。「今日こそは許さんぞ」と名前を呼びつけると、「まあまあそんなに怒らないで!はい、これあげる!」と、制服のポケットからあめ玉を出すのです。すごんでる私自身が吹き出す始末。リーダーシップの取り方が素晴らしく、誰ひとり孤立させず常に声をかける優しい子。思い出話は尽きません笑。
大学を卒業し、東京に出て調理師を目指して修行をし、無事調理師免許も取得。その後、紆余曲折しながらも有名温泉地にある、親戚が経営する旅館に就職。初めは「とりあえず」程度だったのが、その行動力やコミュニケーション力で旅館経営が上向きに!親戚の方が彼を跡継ぎにしたい意向を示し、本人もその気になった矢先コロナ禍に。
ところがここからが彼の真骨頂。コロナに嘆く暇があれば動け!考えろ!と旅館の経理から修繕に至るまで自分でできることは全部手掛け、「コロナ禍にこそ設備投資」と、旅館の売りでもある「貸切風呂」をリニューアル&増設。コロナ禍後半には「料理と貸切風呂」を前面に出し、じゃらん評価は「5」段階の「4.9」!
こう言ってしまうと、かっこいいサクセスストーリーですが、全然そうじゃない。「僕はトライアル&エラーの繰り返し。でも、エラーを怖がらないのが良かったかな。」と。「旅館経営って簡単じゃない。仕事の拘束時間は長いし、フロントから掃除まですべてやる。一緒に働く仲間を育てるのも僕の仕事。いちから教えるし、その子に苦手なことがあってもいいの。なんか旅館で働くってさぁ、一緒に暮らすってこと。従業員を大事に思うようになるよね。僕は旅館のそういうところが好き。」とまっすぐに言うのです。
見た目は「モデルさんですか?」というような感じなのに、紡ぎ出す言葉は少し古風で愛情深い。彼の話に聞き入ってしまいました。30歳にしてこの成長、この先が本当に楽しみです。卒業生の活躍は本当に嬉しいですが、少し焦ります。同じ「大人」として、私ももっとやるべきことがあるなと。動け!考えろ!がリフレインしています。
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