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2023.05.26

中高一貫(高等部)

あきないゲーム

 高等部の1年生での総合学習では、国際貢献と企業探究という、二つの軸を中心に学んでいます。今回はその前者、国際貢献活動の一環として行ったゲームの様子をご紹介します。
 そのゲームの名は、「貿易ゲーム」。一つの「国」となる各チームは、実際の貿易や産業よろしく紙でできた製品の生産や販売を行い、時間内でいかにお金を稼げるかというゲームです。(もちろん、お金ではなくゲーム内のポイントです。)
 それならば、最も効率よく協力できたチームが勝つのか。残念ながらそう簡単にもいきません。なぜなら各チームが作るべき製品やその売値、製品の材料となる紙の量、そしてハサミや鉛筆といった道具などがすべてバラバラだからです。材料はあるけど道具が不揃いなチーム、道具が豊富にあって製品の売値も高額なチームなど、ランダムで与えられた条件は言ってしまえば不平等そのもの。このゲームの目的は単なるポイント競争ではなく、現実の世界に起きている不平等を身をもって知ることにあるのです。
 初めは単なる競争だと踏んでいた生徒たちはとにかく作業に徹しますが、次第に他チームとの差に気付き始めます。「道具貸してほしいな…」「あのチームの製品〇〇万円⁉」最終的には、最も製品の売値が高く、かつ道具も豊富にそろっていたチームが大差で勝利しました。「格差ってこんなにひどいんだ…。」「正直全く逆転できる気がしなかった」ゲームを終えた生徒たちは、実際に自分たちに起きたことから、世界の現状に思いを馳せました。
 身をもって知る格差の現状。今後の総合学習では、今回の体験をもとにさらに詳しく調べ、自分にできることはないかを模索していきます。(高等部 佐藤)

 
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